【注意】この記事にはハムスターの脱毛について書いてありますが、主に僕の覚書として記してあります。今回の食事制限・療法が脱毛の改善に繋がった確証は全くありません。もし、あなたのハムスターに脱毛が見つかった場合はすぐにエキゾチックアニマル専門獣医さんに相談してください。


世間の親御さんが子どもが健康で大きくなることを祈るようにハムスターが病気をせずスクスク育ってくれる事程喜ばしいものはありません。うちのガールズ2匹もちょっとした怪我はありましたが病気などにはかからず育ってくれてました。先月までは・・・
食べるチロ

おハゲは突然

チロは体もロボロフスキーじゃないかと思うくらいコロに比べると小さく、ペットショップで他のハムスターにいじめられていた事もあってか性格も臆病です。そんなチロが心配で僕らはどうしても過保護になってしまい、そのせいですごくワガママに育ってしまいました。その手厚くお世話をしていたはずのチロにおハゲが見つかったのはお迎え1周年のお祝いをした直後でした。この頃のチロは僕のパジャマの短パンの中で遊ぶのがマイブームで、その晩もいつも通り遊んでいました。

このツイートを書き込んだ後にチロがパジャマの中で寝てしまったためケージに戻そうとした時、お尻のあたりに見慣れぬピンク色の物を発見。まさしくそれがおハゲだったのです。あまりに突然だったため僕はパニックになってしまい、気がつくと大声で妻を呼んでいました。とりわけ地肌から出血していたり掻きむしった痕があったわけではありませんが、初めて見るハムスターの地肌はあまりにも衝撃的でした。急いで降りてきた妻に脱毛箇所を確認させて、ストレスを与えない様にすぐにケージに戻しました。この日、おハゲの写真はストレスになるといけないので撮りませんでした。

見た感じは人間でいう円形脱毛症みたいな物が左足の外側腿あたりにかぼちゃの種ほどの大きさでできており、不自然に毛がなくなりピンクの地肌が見えていました。地肌はとてもキレイだったし本人は元気すぎて気づいていない感じなのが余計に不安を煽りました。(2017年10月25日)

チロのおハゲ
この写真は後日のもので周りの毛が伸びて少しわかりにくいですが、この様にハゲてしまっていました。(11月3日撮影)

いざ獣医へ

おハゲ発見でパニックになったその夜はエキゾチックアニマルの専門病院の検索に数時間費やしました。しかし、努力も虚しく専門病院は見つからず、唯一見つかったのは近所の獣医さんの「エキゾチックアニマルも診ますよ」というホームページ上での宣伝でした。半信半疑でしたが藁にもすがる思いで翌朝予約をし、運良くその日の2時に予約ができました。


診察中は失礼ながら本当にエキゾチックもちゃんと診れるのか不安だったため獣医さんの説明を一語一句真剣に聞いていました。しかし、聞けば聞くほど内容に不安を感じてしまい、彼が席を外した際に妻にどう思ったか尋ねると、終始平然を装って獣医さんの意見に全て納得している様に見えた妻も内心は同じことを考えていました。獣医さんを批判する気は更々ないので内容は省略します。


ちなみに勧められた治療法はノミ駆除の治療とチロの皮膚を検査に送り原因を突き詰めてから決める二択でした。ノミ駆除は搔き痕がないと獣医さんも確認し、普段よりも掻いてる様子もない事を伝えた上で「一番多い脱毛の原因がノミなどの害虫によるものだから無難」という理由から勧められました。それではやはり納得できませんし、ノミが無関係だとしたら無駄な負担をかけたくありません。2つ目は妥当案ですが、皮膚の採取方法を聞いた時に麻酔を使うと言われ、診察中の発言内容も考慮した上で怖く踏ん切りがつきませんでした。一応、麻酔のリスクを訊ねると1年に1匹死ぬくらいでリスクは低いと言われましたが1年に何匹のハムスターがこの病院に来るのかわからないので結局勇気がでませんでした。

治療の意思がないことを丁重に伝えたのですが、獣医さんは治療の値段を聞いて断念したと思ったらしく少し強めに押されました。もちろん、チロの症状が改善されるなら治療費なんて気にしません。ただ、獣医さんの診察内容を含めどちらの治療法にも踏ん切りがつかなかったのが単なる理由です。(10月26日)


ここまで敏感になってしまったのは数日前にあるツイートを読んだからかもしれません。参考になる人もいると思うので下に貼っておきます。



ベテランハム親さんへの相談

帰宅後、一応ノミやダニなどの可能性も考えチロのケージを全て掃除し、洗えるものは全部洗い、木製の物などで古いものは捨てました。そして、妻から懇願され普段から色々とツイッターでお世話になっているベテランハム親さんに相談させていただきました。


本当に親身になって色々話を聞いてくださり、たくさんの情報も提供してくださいました。その中ですごく参考になったのが彼女のハムスターの体験談と紹介いただいた霍野晋吉獣医のホームページでした。このホームページの情報を参考にしたところチロには換毛不全の可能性が高く治療法は確立されていないがビタミンやミネラルを補ってあげるのが有効と書いてありました。しかし、栄養素について知識のない僕はどうすればいいかわからず結局、別の獣医さんを探すことしかできず数日が過ぎました。そんな時、ベテランハム親さんから更に「黒ゴマのビタミンB6が効くかもしれない」と追加情報を頂きました。そして、偶然にも別の流れで教えて頂いた南カリフォルニアのブリーダーのリンダさんのホームページのリンクにあったペットケアのサイトも発見し脱毛のページにもたどり着きました。そこでは換毛不全には栄養補助イーストも効果ありと書かれてあったため、早速、黒ゴマと栄養補助イーストを求めて買い物に行きました。(11月1日)

ビタミンB

ベテランハム親さんにビタミンBの事を教えて頂いてから、それが頭の片隅に引っかかりうちにあったハムスターの餌の栄養欄を全て見てみました。すると、どれにもビタミンBは入っていませんでした。この頃うちには市販のハムスターの餌が5〜6タイプあったのですが、どれもビタミンAやD、Eは入っていてもビタミンCとBはないのです。ペットショップに行った時もビタミンBが入っているものがないか探してみますが、ビタミンCのサプリは発見したもののBのが入ったものはありませんでした。
フードパッケージ

これを踏まえ栄養補助イーストについて調べてみるとビタミンB群(特にB12)が特別に含まれている物があるのです。
ビタミンB12は人間の体で生成されず、特にベジタリアンの人が欠乏を避けるために栄養補助イーストなどで摂取する。ただ、明記されていないものは含まれていない。
参考文献:VeganEssentials.com, Bob's Red Mill, Wikipedia "Nutritional Yeast"
引用の通り全ての栄養補助イーストに含まれているわけではありませんし、これが何かおハゲと関係あるのかはわかりませんが少し希望が見えた気がしました。ちなみに僕が購入したイーストはもちろんB12が入っているものでした。

食事制限

さて、おハゲが見つかってからチロにはかわいそうですが食事制限を設けました。これは何か別の栄養素の過剰摂取が関係しているかもしれない可能性を考慮した上での決断でした。制限内容としては主食は北米で結構推奨されているペレットだけ。おやつは少しだけ。と飼い主として少し心が痛くなる内容でした。もちろんペレットだけでも生きていけますがやはり美味しいものや好きなものを食べてもらいたいのがハム親心なのです。

さて、今回最も被害にあったのがコロです。チロが食事制限になりチロだけだとかわいそうだと少しぽっちゃり気味のコロまでも巻き込まれてしまいました(苦笑)(10月26日)
怒るコロ

チロと黒ゴマ

殆どペレットしか食べていなかったチロの黒ゴマへの反応は上々で喜んで頬張ります。一応巣箱をざっくり見るのですが隠してる様子もありませんでした。ですが、1週間ほど黒ゴマをあげていましたが目に見えた変化は現れず、もしかしたら別の場所に隠していて実際は食べていなかったのかもしれません。(11月1日)

チロと栄養補助イースト

次に挑戦したのが栄養補助イースト。変な作用を避けるために黒ゴマとは同時に与えず、1日空けてから与え始めました。こちらは拒絶反応でした。匂いが強いからでしょうか、もう見向きもせず「食べ物はどこよ〜〜〜!!」と怒り気味でした(笑)僕はこれをレーズンなどにまぶし与えるのですが、まぶした量が多いと大好物のレーズンまで無視で抗議をしてくるのです。なので少しだけイーストがかかってない箇所を作り齧らせる様にしてなんとか摂取させました。これを1週間ほど繰り返すとすこ〜し皮膚に産毛が生えてきた『気』がしました。が、それ以上の改善は見られませんでした。(11月8日頃から)

チロとビタミン剤

黒ゴマと栄養補助イーストを試してもなかなか改善の兆しが見られないので引き続き信頼できる獣医さんを探しながらビタミン剤も探しているとVitaDropsと言うハムスター用栄養補助剤をインターネットで発見しました。この補助剤はレビューがあまりなくペットショップでも見かけないので半信半疑でしたが、Amazonで検索し成分を調べるとB12が入っているではないですか!早速、近くで在庫がある店を調べ購入しました。(11月13日)
VitaDrops

購入してみて成分をもっと詳しく見てみるとビタミンB12だけではなくCもB1、B2も入っていました。さすがVita(min)と名付けるだけありますね。VitaDropsの使用方法は30mlの水に2滴垂らして使うもので、うちのハムスターには60mlに4滴垂らして使っています。匂いがイーストに似ているのでチロの反応を心配しましたが、いつかは喉が乾くので飲むしかないです。

VitaDropsを使い始めて3日目で地肌が見えないほど毛が生えてきました!もしかしたら黒ゴマ、またはイーストがやっと効果を出してきたのかもしれませんがどちらにしろ一安心です。(11月15日)
毛が生えたチロ

おハゲ退治

毛が元に戻り始めてから数日でチロのおハゲは殆ど分からないほどになり、ようやく肩の荷がおりました。もちろん今もVitaDropsは使い続けていますし、他のハムスターにも与えています。幸い1ヶ月もかからずにここまで回復してくれたので飼い主の精神面も救われました。小さな体なので一日一日が大切なハムスター。飼い主は毎日気が気ではなかったです。毎日お尻をチェックしてハゲを見て落胆する日々でしたし、もしある日起きてこなかったら・・・と考えたこともありました。でも、そんな時はチロのいつものあどけない顔やコロの愛らしい姿に助けられました。幸運にも毛が生えてきたのが丁度、別の獣医さんに予約を入れようとした日だったので臆病者のチロを無駄に連れ出さずに済みよかったです。今はほぼ完治ですが、これからも気を抜かず観察して変化にいち早く気づけるように努力していきます。

さて、一番最初にも書かせていただきましたが、これはあくまで僕の一例であり本当に上記の食事制限や食べ物などが効いたと言う確証は全くありません。もしかしたら今回の脱毛は一時的なもので何もしなくても治ったかもしれません。なので、もしあなたのハムスターに脱毛が見つかった際はかかりつけの信頼できる獣医さんにすぐに相談してください。

追記(2018年1月4日)

チロのおハゲが治って食事制限を無くしたら、またおハゲが再発しました。この時ビタミン剤は続けていたのでビタミンBの他にも食べ物が関係している可能性が高くなり、再び食事制限を儲け少しずつ種類を足していくと、どうやら雑穀が関係しているみたいでした。なので、残念ですが今後のチロの食事は雑穀抜きです。ただ、粟穂だけは大丈夫みたいなので本人は気にしてないみたいですが。今回は前以上に黒ゴマも積極的に与えてたのですが、それが関係してかハゲ発症前以上にフサフサにもなりました。怪我の功名ですかね?