ありがとう、コロ。

2018/02/20

ハムスターの生態 ハムスター日記

ツイッターからブログを見てくださる方がほとんどなので、コロの訃報をご存知の方も多いと思います。ブログの更新が滞っていたのもそのためでした。ようやく一段落つき、いつまでも哀しい雰囲気を背負いたくないのでコロの訃報を記事にしようか迷いましたが、コロの闘病姿があまりにも立派だったので共有させてください。
ありがとう、ころ。

その日、コロは発情中で落ち着きなく飛び回っていました。発情中は余計なストレスを避けるため、なるべく刺激しないようにするのですが、コロも敏感になっており少しの物音で目を覚まし僕たちを見つけると全力でアピールをしてくるのです。僕らはそんなコロをよそ目に全員の水を替えながらハムたちの朝ごはんの準備をしていました。すると、コロの砂場の入れ物の上の方に血が付いているのに気づきました。今までハムスターの流血を見たことがなかったので驚いてしまい一瞬頭が真っ白になってしまいました。

すぐさまコロを持ち上げてお腹を見ると肛門あたりからの出血を確認しました。即座に病院の予約を取り診ていただくと、おそらく癌だということが判明。色々なことを考慮した上で手術はしない方がいいと言われ、安楽死か余命を謳歌させてあげるように言われました。獣医さんを信頼してない訳ではなかったのですが、間違いであってほしい気持ちから藁にもすがる思いでセカンドオピニオンをもらいに、後日別の獣医さんにも診ていただきましたがやはり同じ診断結果でした。

初めの獣医さんから帰宅した直後は目の前で元気にしてるコロが長くはない現実を受け入れれずただただ涙するだけでした。コロもその日は病院への長旅に加え出血で疲れたのかいつも以上に寝ていました。とりあえず、ケージ内はバリアフリーにしてコロが歩きやすいようにし、食べ物も咀嚼のたびに傷が痛いといけないのであまり噛まなくてもいいように砕き、コロが食べたい物を食べたい時に食べれるように色々な物を用意してあげました。
コロと食べ物
美味しいものに見向きせず・・・
コロ姫とご飯
雑穀は大好き
今振り返ると出血した時点でコロは自分が長くないことをわかっていたような気がします。僕らが出血に気づくまでは落ち着きなく動き回り、僕らにアピールしていたのに病院に行く準備中や道中は落ち着きゆっくり休み、病院でも今までに見たことないほどじっとしていました。そして、帰宅後に大好物をたくさん用意してあげたのにも関わらず、今まで頑張ってためていた貯蔵庫からわざわざ食べるのです。まるで旅立ちの準備をしているかのように。

病院からは残念ながらコロの病気に使える薬はないが、痛みあるといけないとのことで痛み止めを出していただきました。コロはこの痛み止めの匂いが嫌いだったみたいで飲んでくれるまで3日かかりました。一度投薬に成功すると、この薬で痛みが無くなることがわかったのか次の日からは最初は匂いに嫌な顔をするもののちゃんと残らず飲んでくれるようになりました。

痛み止めを飲んでくれるようになり、食べ物も好きな物をたくさん与えたのですが、毎日の調子はアップダウンでした。「もうダメかなぁ?」と思う日もあれば「え?これは2年目記念日まで元気で行くんじゃないか?」と思う日もありました。
コロとツリーハウス
調子のいい日。
病気発覚前にコロのために購入したツリーハウス。でも、遊べたのはこの日だけ。
そんなコロの凜とした生き様を見たのが砂場です。コロはどんなに辛い日でも寝床で用を足すことせず、絶対に砂場まで行き砂浴びをしてから用を足していました。どんなにヨタヨタしていても、どれだけ時間がかかってもコロは砂場に行き続けました。それがまるで大切な意味のある行為のように。親心として、この行動が出血を増やしている可能性があるため砂場の撤去を真剣に考えましたが、コロにはどうしても砂場が必要な気がして最後まで残すことにしました。
砂場にて
大好きな砂場にて。
真が強くみんなに優しいコロは調子のいい日は僕らを安心させるためにかがんばっていつも通りを振舞ってくれました。足取りは少しずつおぼつかなくなっているのに、たまに手のひらにも乗って来てくれて3分足らずですが外でも遊んで元気な姿を見せてくれました。
調子のいい日。
調子のいい日はお手手もペロペロ。
こうして2週間が過ぎると、僕らも少し体力の限界に来ていました。と言うのもコロの調子が悪い日は妻と交代しながら夜通しや数時間おきに起きて様子を確認し、調子のいい時でも、夜中にどこかで動けなくなっていたりしていないか心配であまり眠れなかったかったからです。そして、エゴかもしれませんが、最期は絶対に看取ってあげたかったのです。

そのためこの2週間はキャンセルできる予定は全てキャンセルしてできるだけコロとの時間を大切にしてきました。しかし、2月13日だけは仕事で二人とも外せない用事が入ってしまい、先方に何度も予定をずらせないか尋ねましたがその日だけしか都合がつかず、後ろ髪を引かれる思いで出かけました。と言うのも2日前からコロが薬を拒否するようになってしまったからです。力がないから僕の手を押しやることができないのに頑なに口を閉じたまま顔を背けるようになったのです。口に薬がついた指を押し付けても絶対に開きませんでした。僕と妻は「多分、コロの事だからもう長くないのは分かってるんだね。自分の中で準備ができたんだろうね」と話し、本人が嫌なら無理に薬を与えることをやめました。そんな中の外出は気が気ではなく「早く終われ〜〜!」とずっと思っていました。

心配しながら帰宅するとコロはちゃんと待っていてくれました。ですが、トイレに行った様子もたくさん食べた様子もありませんでした。すぐにこの頃、好んで食べていたケールを用意し、家の前に食べ物を置いてあげました。少し食べましたが、結局この日は家から出てくることはありませんでした。
ケールを食すコロ。
別の日。ケールを食すコロ。
そして、とうとうお別れは来ました。

妻が翌朝、2月14日、5時50分に起き様子を見ると砂場で丸まってるコロがいました。呼吸は弱いもののまだしており、すぐに砂場から出して、体温が少し低めだったので温めたヒートパッドの上に手を置き間接的にコロの体を温めました。そして、少し安定したところでタオルにくるみヒートパッドに乗せ、ベッドの中央に置きずっと眺めていました。ベッドで一緒に寝ながらコロを見ているとこの子の意志の強さに心を打たれました。殆ど何も食べずに体力も底を突いていたはずなのにそれでも砂場に向かったコロ。

どんなに時間がかかったんだろう・・・
どんな想いで砂場に座っていたんだろう・・・
僕たちが見つけやすい様に待っていてくれたんだろうか・・・
なんて威厳を持った子なんだろう・・・

と思いを巡らせずにはいられませんでした。この時、偶然なのか本当に何かを察したのか、チロも何度も鳴き声をあげ、まるでコロにお別れをしているようでした。僕と妻も何度も何度も「ありがとう」と伝え「辛いなら頑張らなくていいよ。ゆっくり眠っていいからね」と語りかけました。そうして1時間が経ち最後に「ギィ」と囁いてコロは息を引き取りました。

大好きなコロへ
大切な時間を一緒に過ごしてくれてありがとう、コロ。また会おうね。
ぱぱとままより。
コロ。