動物愛護週間に寄せて

2020/09/23

雑談

     毎年9月20日から9月26日は動物愛護週間です。今まであまり馴染みのないものでしたが、今年の動物愛護週間は色々考えさせられるものとなりました。

 先日まで籍を置いて活動に携わってたハムスター支援団体ハムメディア背骨が折れたハムスターが保護されました。この子はスタッフさんや獣医さんの尽力も虚しく、保護されてから3日後に旅立ちました。しかし、この子が保護されてから旅立ってしまった今でもずっと、このハムちゃんの事が頭から離れません。(因みに上の写真の子は我が家で一番最初に保健所から引き取った『むすび』です)


どれだけの痛みに耐えていたのか。

どれだけ怖かったのか。

どれだけ飢えていたのか。


 この子がどうして外にいたのか。この子の背骨がどうして折れていたのか。仮説はいくらでも立ちますが真実を知ることはほぼ不可能です。ただ、人間のエゴで本来いるべき生息地から連れ出され、繁殖され、ペットとされたこの子たちは幸せになる権利があると僕は思ってます。そして、どんな理由であれ、元の飼い主さんから手放され保護された子たちはもっと幸せにならなくてはいけないと思っています。僕らをハムスターの虜にさせた最初のハムスター・チロとコロを除き、ころぱぱ家で一緒に暮らしてるハムスターが全員保健所から来た子なのはこれが理由です。


 一度、ペットショップで売れ残ったハムスターがどうなるのかを聞いたのですが、言葉を濁され、ちゃんとした答えが返って来ませんでした。残念ながら、ペット産業も他の商品産業と同じで、需要があればたくさん生産され、需要がなくなれば売れ残りがでてしまいます。ただ、商品産業と違うのは、需要がなくなっても分解して別の物に使用したり、倉庫に保存して需要が上がるまで保存することができないのが『命』なのです。


 北米で主にペットショップにハムスターを卸している所は『Hamster Mills(ハムスター工場)』と呼ばれるところで、とりあえず繁殖だけを目的としています。本当に『生産』だけを目的としているのでひどい現状をよく目にしたり耳にしたりします。Googleで『Hamster Mills』と検索すると色々出て来ますが、目を覆いたくなるものもあるので気をつけてください。微力ですが、僕はそれに協力しない様にと保健所に様々な理由で来た子を引き取ることにしています。日本のペット産業の実態は勉強不足でわかりませんが、犬猫に関してはたまに酷いニュースを目の当たりにします。ペットショップで華やかに売られている子たちの裏には、繁殖だけのために命を削られている子や、保健所で命を強制的に奪われる子がいる現実があるのです。


 逆にかわいそうだからという気持ちだけでキャパオーバーなのに、保護されている事を引き取り続け最悪の事態を招いたケースもありますし、かわいいからというだけで繁殖を続け適切な環境を与えられない数まで増え続けてるアニマルホーダーのケースも耳にした事があります。このどちらも動物愛護ではありません。先日、試し読みで2冊無料だったから読んだ『しっぽの声』という本ですが、動物保護の現状などが描かれています。もし、興味のある方は読んでみてください。(下の画像からアマゾンリンクに飛べます)

 この様な動物たちのために僕たちにできる事は、まず目の前にある尊い命を責任持って幸せにしてあげる事なのだと思います。この愛護週間を機に一度自分の愛ハムスターないし、他のペットの飼育環境も彼らの立場から見直してあげたり、今回の骨折したハムスターちゃんのことを思い、今後、この様な子が少しでも減る様に自分に何かできるかを考えれる機会1人でも多くの方ができたらと思っています。


 最後に、トロルくんのご冥福をお祈りします。